図子メンタルクリニック
香川県さぬき市志度2383番地1
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8:30~12:30 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | 〇 | × |
14:00~18:00 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | × | × |
図子メンタルクリニックは平成21年2月に開業しました。JR志度駅から南に300mの、静かな住宅街の一角にあります。
私たちは丁寧な医療と心のこもった関わりを心がけています。丁寧に診ること。あまりに愚直かもしれませんが、それは医療の王道であると思います。
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随分前になりますが、NHK総合で「総合診療医ドクターG」という番組が放映されていました。一つの症例を教材にして問診だけを頼りに正しい診断にたどりつくという、症例の謎解きにワクワクする番組でした。指導医は凄腕のドクターばかり。研修医に向かってどのドクターも一様に「丁寧な問診が大切」と訴えます。
安易な検査に頼ることなく、丁寧な問診によって患者さん一人一人の病気を正しく診断していくこと。医療の基本はこうなのだという思いを強くします。
初診の方は受付を済ませると質問票に記入していただきます。
看護師がこれまでにかかった身体の病気やアレルギーの有無、服薬歴についてお聞きし、それから聞き取りを行います。聞き取りは当院のソーシャルワーカーと看護師が交代で行っています。今困っていること、これまでの経過、普段の状況や過去の状況、必要に応じて学校時代の生活状況などもお聞きします。
診察は問診が中心になりますが、お聞きすることは一人一人違います。症状もそれまで生きてきた道程も一人一人違うので、当然といえば当然ですね。
初診は大切です。そこで時間をとらなければ、いろんなことを見過ごしてしまうかもしれません。一見単純な症状であっても、その背景が意外と複雑なことがありますし、いろいろな症状があるのに自分では気がついていないこともあります。通りいっぺんの診察では、症状を聞き落したり、背景にあるものを見落としたりするのです。そうなると根本的な解決に近づいていけません。
再診(2回目以降の診察)でもなるべく時間をとるように心がけています。もちろん多くの患者さんが来られますので、自ずと時間は限られます。心療内科精神科で行われる治療は薬物療法と精神療法が主ですが、1回のセッションにかなりの時間を要する本格的な精神療法だけでなく、当院で行われる簡易なアプローチも精神療法に含まれると考えています。手前味噌でしょうか。限られた時間の中で、なにげない話から浮きぼりになる認知のずれを取り上げたり、働き過ぎや力の入り過ぎに着目したり、子供の頃の生活と今の症状の関係を考えたりと、診察での会話はいろいろな方向に発展していきます。そのうちに解決の糸口がふっと見えてきたりします。
平成13(2001)年に縁あってさぬき市民病院に赴任しました。その時は自分が開業することなどつゆも思っていませんでしたが、さぬき市民病院が諸般の事情から精神科病棟を閉鎖することになったある日、この地で開業することをふと思い立ちました。
平成20年冬、志度駅近くの候補地を選定する作業に入っていましたが、地主さんが快く同意してくださり、最終的に今の場所に決まりました。車で来やすく、公共交通機関を使っての来院も可能な場所でした。面する道路にそれほどの往来がなく、しかもアクセスしやすい場所で、ここにクリニックが建てられるとすればこれほど幸運なことはないと思いました。
クリニックの設計施工は積水ハウスにお願いしました。緑が多く、光あふれるクリニックを希望しました。待合室で待つ人の視線が交らないことも要望しました。設計を担当してくれたのは、東京本社の吉田敏明さん。それまでにクリニックの設計を数多く手掛けてきたベテランの建築士です。
すべてお任せしたのですが、最初の相談から2週間して設計図の第1稿が上がってきた時には驚きました。280坪の土地に絶妙に配置された建物、随所に工夫が光る合理的な間取りと瀟洒な外観のデザイン。真っ白だったキャンバスは素晴らしい絵で埋めつくされていました。細かい打ち合わせを繰り返して最終案にたどり着き、平成20年8月に着工、12月に竣工しました。
令和7年の今、それはもうかなり前のことになりますが、クリニックは多くの人に支えられ、無形の発展を遂げてきました。この灯を絶やさないようにしたい。そのためにできることは何だろう。それを考え始めたところです。
開院してしばらくの間、来てくださる患者さんの9割は大川地区(さぬき市、東かがわ市)の患者さんでした。来られる患者さんを丹念に診るだけで地域のニーズに応えられていました。しかし、年月が経って患者さんの数が増えると、受診を希望する初診の患者さんをすぐに診ることが難しくなってきました。今、時代は大きく変化しインターネットの時代になっています。かなり遠方の方からも問い合わせが入るようになりました。我が国の医療制度はフリーアクセスが原則なので、住む地域によって受診を制限するわけにはいきません。その結果、受診予約がかなり先になっても待てる方が予約リストに入ることになりました。診察を申し込んでも受診までに時間がかかるので、それでは困るという地域でのお声も耳にします。果たしてこの状況で地域のニーズに応えることができているのかどうか。これは大変むずかしい問題です。
患者さんの数が増えてくると一人一人の患者さんにかけられる時間は限られてくるので、いくら丁寧に診るといっても自ずと限界があります。とても悩ましいところです。予約制のクリニックのはずですが、どうしても混んできて、待合室がいっぱいになることがあります。しかしです。そのような時に調子のよくなってきた患者さんたちがいろいろな形で気をきかせてくれます。それも大変気持ちよく、とてもにこやかに。厳しい状況にある患者さんに時間をかけられるのは、その患者さんの周りに多くの善意があるからなのです。クリニックの医療は多くの人の善意に支えられて成り立っています。
開業当初から心がけてきたことの一つは「患者離れをよくする」というものです。砂原茂一氏は「医者と患者と病院と」(岩波新書)で「いい医者とは患者ばなれのいい医者である」と述べていますが、いい言葉だと思いました。適切な親離れや子離れができていることはとてもいいことだし、傍から見ていても気持ちのいいものです。それと同じように「患者離れ」はとても重要なポイントです。「やみくもに患者を自分の手許にしばりつけておく」医師がそんなにいるとは思いませんが、やはりそれがいいはずはありません。適切な時点で患者さんを放していく、大空に向かって飛び立つのを積極的に支援していく。今もそんな医師でありたいと思っています。
患者さんの調子よくなってしばらくその状態が続いていると、減薬を開始します。あまり早く減薬すると症状が再燃する場合もあるのでやや遅れ気味に減らすのがコツです。初めて薬を飲み始める時に止められなくなるのではないか、薬に依存するのではないかと心配される方がいますが、もちろん心配する必要はありません。計画的に薬を減らしていけば、問題なく服薬を終了することができます。
当院では状態がよくなっている患者さんに数か月先の終了の見通しを告げています。着地に向かって心の準備をしてもらうのです。
うつ病が再発した方は1回目の時と違って逆に慎重になっていますが、そういう場合は特に早くから着地(治療終結)の準備をします。もちろん、再発の危険性がゼロではないのでやめるか続けるかは選択にはなります。単発型のうつ病の方であれば終了はそれほどむずかしくありません。不安障害の方の場合、症状は充分にコントロールできているけれども完全に薬をやめるのは不安という方が多いのですが、それはよくわかります。薬を漸減して最少量にし長期処方で治療を継続します。
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対応エリア | さぬき市、東かがわ市、高松市、三木町、香川県内、徳島県内 |
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対応できる疾患 | うつ病、躁うつ病/双極性障害、気分変調症、統合失調症 不安障害(パニック障害、広場恐怖症、社会不安障害、全般性不安障害など) 強迫性障害、ストレス関連障害(適応障害、PTSD)、解離性障害、身体表現性障害(疼痛性障害、心気障害/病気不安症を含む) 認知症(アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、血管性認知症 発達障害(注意欠陥多動性障害、自閉スペクトラム症)、知的障害 摂食障害、パーソナリティ障害、習慣および衝動の障害 他にも対応できる疾患がありますので、お問い合わせください。スタッフが可能な範囲でお答えします。 |
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